「醤油ソムリエ」が選ぶ、料理・素材別のお薦め醤油(写真アリ)
2012年 11月 06日
さんまが美味しい季節。さんまといえば醤油だが、そもそも醤油を製造しているメーカーは何社ぐらいあるかご存じだろうか?おそらく、2~3社のメーカーなら名前を言えるかもしれないが、実は全国におよそ1500社もあるのだ。
ほ~~~~んの一部の醤油の味しか知らないのは、なんだかもったいない気がする。そこで「醤油のことならこの人に聞け!」ということで、「職人醤油」を運営されている、「醤油ソムリエ」の高橋万太郎さんに、色々な料理に相性の良い醤油を伺うことにした。
高橋さんは立命館大学卒業後、精密光学機器の営業に従事。2006年に退職して(株)伝統デザイン工房を設立した。つまり、醤油とは全く関係のない業種からの、異例の起業である。
「伝統的なものの仕事に携わろうと思った」というのが起業の理由。中でも醤油の魅力に取りつかれた高橋さんは、一人で全国300以上の醤油メーカーを訪問。その中で「この造り手とは、ずっと付き合いをしていきたい」と感じる蔵元に参画をお願いしているという。
早速、群馬県前橋市にある高橋さんのお店「職人醤油」へ。黒と白と赤を基調としたオシャレな店内には、全国の選りすぐりの醤油71種類が棚一面にズラリと並んでいた。しかも、醤油の種類によって味が違うことを確かめられるように「濃口」「甘口」「再仕込み」「淡口」「溜(たまり)」「加工品」のそれぞれの醤油の中から、それぞれ1銘柄ずつ味見ができるようになっているのだ。
『黒豆醤油濃口』
さあ、お待たせしました。というか、ここまで引っ張るだけ引っ張ってスミマセン。高橋さんに聞いた、さんまにおすすめの醤油とは…
「奈良県にある、イゲタの『黒豆醤油濃口』ですね。レンガ造りの蔵の中で黒大豆を2年の歳月をかけて熟成したものです。味が濃すぎないところが、さんまに合いますね。ちなみに、原料に使われている黒大豆は非常に貴重なものです」(高橋さん)
せっかくなので、さんま以外の料理におすすめの醤油も聞いてみた。
『バタめし醤油』
「おすすめは、群馬県にある有田屋のバタめし醤油。有田屋の湯浅社長の家では、たまごかけごはんよりもバター醤油ご飯を食べてらっしゃるそうで、代々愛されてきたバター醤油ご飯のレシピを商品化したものです。湯浅社長曰く『バターは動物性の脂肪だから、魚介系のだし醤油とはちょっと合わないと思う』とのことです」(高橋さん)
天野醤油製の『甘露醤油』
「焼きそば=ソース・あんかけ」と思っているアナタ、焼きそばの味付けに醤油を使うというテがあるのです。
「焼きそばといっても、どんな焼きそばを作るかによって合う醤油は若干変わってくるので、コレという銘柄でいうのは難しいのですが、醤油の種類でいうと『再仕込み醤油』がおすすめです。再仕込み醤油は、濃厚なコクと色の濃さに特徴があります。ただ、ひと口に再仕込み醤油といっても、銘柄によって濃さは若干変わりますので、まずは色々と試してみてください」(高橋さん)
実際に最仕込み醤油(天野醤油製の「甘露醤油」)で焼きそばを作ってみたところ、非常にサッパリとした味になり、女性にもおすすめだ。ちなみに、再仕込み醤油はアイスクリームにかけると、みたらし団子のような味になって美味しいそうだ。
『かくみや醤油』
「滋賀県にある原宮喜本店『かくみや醤油』です。甘味のある淡口醤油で、化学添加物は使わずに、沖縄産の良質な黒砂糖やレンゲの蜂蜜などを使用しています。離乳食は味覚形成にとって非常に大切なので、ウチの娘も出汁とこの醤油を離乳食レシピに取り入れました。おかげで、スナック菓子やファミレスのご飯よりも、手作りご飯の方が好きになりましたね」(高橋さん)
クリームシチューの隠し味におすすめの醤油、種類でいえば『淡口醤油』ですね。綺麗な色なのでシチューに入れても色が濃くなることはありません。茶碗蒸しやだし巻き玉子にもおすすめで、綺麗な色になりますよ」(高橋さん)
※もちろん、おすすめした醤油は高橋さんの独断と偏見によるものなので、皆さんに合う醤油は他にもあるかもしれません。
source:excite news2012.11.6
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