1週間で合法的に【脳内麻薬】を出す技術
2012年 10月 20日
薬物に頼らず、かつ苦労せずに脳内麻薬を出す方法はあるのか?
脳内にアドレナリンやドーパミンを出して快感を得るためには、ランナーズハイなどの運動系が王道なのは百も承知。だが正直なところ、手軽に気持ちよくなりたいのに、わざわざ運動するのはかったるい。何か楽にできるいい方法はないものか。
しかし、「誰でも手軽に気持ちよくなれる」として流行した脱法ハーブは社会問題になった。アングラ文化に詳しいライターのクーロン黒沢氏によると、「『ウチの店だけで17人死んでる』と自慢げに語る脱法ハーブ屋もいますからね」という。粗悪品も数多く出回っており、政府も近く違法化する方向で動いている。やはり、ホンモノの薬物は危ない。
一方、韓国ではここ数年「i-doser」なる“聴く麻薬”が青少年を中心に大流行となり、現在はリアルの麻薬を取り締まる食品医薬安全庁をはじめ、各政府機関が規制を強化しているという。だが、発祥元のアメリカやヨーロッパ、そして日本では今も普通にネットでダウンロードできる。危険性が高い脱法ハーブに比べ、実際の効果はどれだけあるのか。ちょっとコワそうだが、試してみる価値はありそうだ。
調査を進めてみると、ほかにも「薬物を使わず、合法的に、大した手間を掛けずに、脳内麻薬を出せる(かもしれない)方法」がいくつか見つかった。果たして、どれぐらい気持ちよく、どれぐらい悪影響があるのか。読者の参考になるべく、本誌記者と編集者が人体実験を敢行してみた。
人体実験編は下のMoreをクリックしてね☆
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音源自体は一定のリズムで流れる重低音の上で、ノイズ混じりのさまざまなリズムや音楽が聴こえてくる。しかし、曲が後半に差し掛かると、「キュイ~ン」という高音が流れ始め、頭が何だかボーッとし始めた。15分の音源が終了し、ヘッドフォンを外すと、かなりの頭痛がする。確かに“おかしな状態”になることは間違いない。だが、このときはまだトリップ感には至らなかった。
一方、「Gate of hades」という音源を聴いた編集のYはかなりキマったようだ。「ヤベーよ! ザーッというノイズが流れた途端、体が動かなくなった。で、後半、ブチブチって音から一気に高音になるところで怖くなって『あああ!』って叫んじゃったよ。その後しばらく、感覚が妙に敏感になったね!」と興奮気味に話すY。
iPhoneアプリは450円。複数の曲が入って
おトクなように思えるが、音質が悪く、
マニアの間では評価が低い
ならばと…韓国で禁止となった【聴く麻薬】を試す!
韓国で取り締まられた「聴く麻薬」は、確かにおかしな気分になります!! 09年頃に韓国に上陸するや、青少年を中心に大ブームとなった「i-doser」。あまりの流行ぶりに、韓国政府はファイルの削除や「聴くドラッグ」など関連するキーワードの検索禁止など、徹底した取り締まりを実施。安全性が確認されるまでネットで流通できないようにした。
その効果を探るべく、記者のO、編集のYに加え、元ジャンキーX氏の協力のもと、各自で“人体実験”を行ってみた。
いまだ存在すらメジャーではない日本では、多くの音源が普通にネット上で入手できる。iPhoneアプリになっているばかりか、何とアマゾンにはMP3音源のランキングまで。価格は一曲150円が相場。韓国での大騒ぎを聞いていただけに、これだけ簡単に手に入るとちょっと拍子抜けだ。
まずはランキング1位の「Hand Of God」という音源を聴いてみる。デジタルドラッグに関する掲示板などでも、オススメとして挙げられているものだ。
ちなみにi-doserには推奨の聴き方がある。それは「部屋を暗くし、アイマスクをしてリラックスした体勢で、ヘッドフォンで聴くべし」というもの。記者もこのやり方で試してみた。
音源自体は一定のリズムで流れる重低音の上で、ノイズ混じりのさまざまなリズムや音楽が聴こえてくる。しかし、曲が後半に差し掛かると、「キュイ~ン」という高音が流れ始め、頭が何だかボーッとし始めた。15分の音源が終了し、ヘッドフォンを外すと、かなりの頭痛がする。確かに“おかしな状態”になることは間違いない。だが、このときはまだトリップ感には至らなかった。
一方、「Gate of hades」という音源を聴いた編集のYはかなりキマったようだ。「ヤベーよ! ザーッというノイズが流れた途端、体が動かなくなった。で、後半、ブチブチって音から一気に高音になるところで怖くなって『あああ!』って叫んじゃったよ。その後しばらく、感覚が妙に敏感になったね!」と興奮気味に話すY。ならばと記者も同音源にトライ! すると後半で全身に鳥肌が……。これってトリップ?
【i-doserとは?】
「脳波を調整する周波数の音を繰り返し聴くとドラッグを服用するような気分になれる」といった謳い文句で、’07 年頃にネット上に登場。それが’09年頃から、欧米の若者が利用するコミュニティサイトやSNSを中心に爆発的に流行。YouTubeなどの動画サイトには、ハイになった若者たちの映像が多数公開されている。中毒者が続出し、アメリカの一部の高校でも校内のiPod使用禁止などが実施された。
ノイズ音源で妙な気分になる理由
i-doserのような音源はどんなメカニズムで脳に作用しているのか。
脳科学者の篠原菊紀氏は、「解析していないので仮説だが」と前置きしたうえで、こう指摘する。
「周波数自体は脳内麻薬には関係ないと思う。気持ちよさを感じるとしたら、事前情報として、『これをやればこんなに気持ちよくなる』という暗示的なメッセージが与えられている点が大きい。アイマスクで視覚情報を遮断するのも、暗示効果を高めている」
つまり、これはキクらしいという情報を脳があらかじめ知っているので、気持ちよくなりやすいというわけだ。
また、心理学者の竹内龍人氏は、ひとつの音源に複数の異なるノイズが混合されている点に注目する。
「高い周波数だけ、低い周波数だけのようなノイズは、とても聴いていられません。いろいろな種類の音が混ざっているとノイズも聴いているうちに滑らかな音に感じられる。なので、心地いいと感じる人もいるでしょう」
i-doserの気持ちよさをもっとも体感できたのは、やはり元ジャンキーのX氏だった。記者と編集Yは音源に程度の差はあれ、それなりのトリップ感を感じたものの、試聴後は体の倦怠感や頭痛に襲われた。しかしX氏は……。
「連日寝る前に聴いているうちに、多幸感に包まれて熟睡できたね。翌朝もスッキリ。自分に合っているかも(うっとりとした目で)」 あくまで、これはトリップ慣れしている上級者の意見ということをお忘れなく。
【聴く麻薬】人体実験の結果は?脳内麻薬は出たか?
【元ジャンキーX】
男性(35歳)。昔は覚せい剤などあらゆるドラッグを試したジャンキー。現在はすっかり更生しているが、好奇心に負けて今回の企画に参加
「初めは不整脈と耳鳴り。しかし、何度も聴き慣れてくると軽い多幸感と時間感覚の喪失が表れた。ダウナー系のドラッグに近い印象。いろんなことが面倒くさくなってダラダラした気分に。屋外でも試したが、緊張感のせいか、屋内のほうがよい。就寝前に聴くようにしてからは寝覚めスッキリ。ちなみに、AVを見ながら聴いてみたが、性欲に対する変化はなく、普通に勃起して普通に射精しただけだった」
【編集Y】
男性(37歳)。本誌編集者。10年以上前に当時合法だったマジックマッシュルームを食べてトリップした経験はあり。ハマらないか心配
「初めはアプリを購入。何てことはなかったが、ひたすら音源を聴いているうちに夏バテのような状態に。次に一番評判がいい「Hand Of God」を試したら、幻覚のようなものが見えた。体がゼリーに包まれているようで皮膚感覚もおかしい。気持ちいいというよりは怖い。そのあとで落ち着く。音源にコントロールされている感じ。これヤバい。完全に感覚を変な方向に持っていかれたのは間違いない」
【ライターO】
男性(28歳)。チキン野郎のため、過去のトリップ経験なし。酒好きなので、脳内麻薬と聴いて酔っぱらいのような状態を想像していたが……
「かなりノイジーな音をイメージしていたが、思ったより音楽らしい。ミニマル系クラブミュージックに近い印象。高音質ヘッドフォンを使ったためか、繰り返しのリズムを聴いているうちに低音が響いて頭痛がしてくる。高音が流れると体がゾワゾワして鳥肌が立つが、正直、意識が引っ張られる気持ち悪さのほうが強い。終わったあとは頭痛と若干のめまい。一日ずっと倦怠感が残ったので、就寝前に聴くべし」(source:nikkan-spa2012.10.19)
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